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六命雑感、あと日記の保管庫もかねています。
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目が覚めるとそこには
【1】
この調子だと、今日もまた抱きつかれる。
それもいつもより強くだろう。
そんな事を思いながら、先に眼を閉じてしまったルクラを暫し眺め、リズレッタもそれに倣うのだった。

【2】
そして、夜が明ける。
どんな存在であろうと平等に訪れる時間が今日もやってくる。
窓から差し込む朝日の眩い輝きがリズレッタの額を照らし出した。
薄闇が光に満たされて、意識が覚醒する。
もう少し寝ていたい、などと隣で眠っているであろうルクラのような思いは起こらない。
彼女には睡眠や食事といった要素はなんら必要ないのだ。
どちらもが彼女にとっては本来意味のないことで、いまこうしてその意味の無い行動を取っているのは、そうすることで何かしらの利が発生すると思っているだからこそだった。
妹と一緒の時はそれこそ、お茶会を開いて僅かばかりの菓子を口にする程度、そして何時までも妹と一緒に話し、時には『狩り』をして日々を過ごしていた。
だが、その妹はもう居ない。
そして代わりに自分のそばに居る少女は、リズレッタにとっては無意味な行為をしなければ生きてはいけない体の持ち主だった。
リズレッタは退屈が嫌いだった。
深夜一人で、ルクラが起きてくる朝まで一人どこかで暇を潰すといった真似などしたくもなかった。
食事を共に取るのも、そのほうが退屈せず、また楽しめるから。
睡眠を共にとるのも、そのほうが退屈せず、また楽しめるから。
目覚めの良い少女は、退屈から抜け出すためにまだ眠っている少女の体を揺り動かす。
否、揺り動かそうとした。
その手に伝わる感触に、リズレッタは思わず体を固めたのだ。
ゆっくりと、ルクラが眠っていたであろう方向に眼を向ける。
そこには――。
mamulucra1.jpg











【3】
よくわからないが、ルクラは謎の生物になってしまった。
ぷにぷにするのが面白く心地良く可愛いので余り気にしない。
多分治す方法がどこかにあるのだろう。
この奇妙な遺跡だ、そんなこと造作も無いに決まっている。
とりあえず自分だけ着替えを済ませる。
その間、ルクラは周囲をぴょんぴょんはねていた。
むきゅむきゅ鳴いて足元に擦り寄ってくるのが可愛らしいが邪魔である。
少し足先で小突くと転がっていった。
飛び跳ねて移動するらしく、それでは階段で転がり落ちるのが目に見えているので、リズレッタはルクラを抱きかかえて移動することにした。
案外すんなりと腕の中に納まり、大人しくしている。
少々元気のよさが目立つが根元はルクラそのままのようだ。聞き分けがいい。
階下へと移動し、朝食を作っている老婆にルクラの姿を見せると“あらまあ!”と驚いた様子だが、治す方法もよくわからないし、多分遺跡を探検していれば見つかるのでは、と先ほど思ったことと全く同じ意見が出たので、この問題は大したことではないとリズレッタは確信する。
どうにかなるだろう。
4fca627c.jpeg













↓?
※本編に関係はありません。
イラストはEno.1379 リーチャ・ミレッタPL様に頂きました。
この場で御礼申し上げます!

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