六命雑感、あと日記の保管庫もかねています。
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迷いの森に呑まれた子ら
【1】
「この辺には居ないみたいね」
「早速はぐれた?」
「……ふむ」
迷いの森、そう名づけられた魔法陣から出て直ぐの森に立ち入ったルクラ達。
一見はただの森だったのだが、矢張り島の奇妙な力が働いている異常地帯の一つだったらしい。
全員が方向感覚を失い、入り口を見失ってしまうのはあっという間だった。
「ラウルバーフさん……大丈夫かなぁ」
いつもの仲間は皆傍にいるものの、ついてくる事になったラウルバーフの姿はそこには無かった。
かれこれ探し続けて一時間は経過しただろうが、その姿は見つけ出せない。
「これ以上は無駄でしょう。放っておいてわたくし達は探索を続けるとしましょうか。出口を見つけるほうが先ですわ」
「え、えぇ!?」
「いいでしょう別に。だって――」
――判る! 判るぞ! 素晴らしい品々がこの森の中に眠っている! ククク……ハァーッハッハッハ!!!
「……別にあれ一人でも間違いなく問題ありませんわ」
「止めるヒマ無かったよね」
「一瞬だったな……」
「例えるなら回転床だらけのフロアに直進のみで突っ込む漢マッパーって感じね」
しかし彼の心配をしているのはルクラだけらしかった。
それも無理は無い。
ラウルバーフとはぐれたのは森に入る前からであり、彼は喜び勇んでこの迷路に何も考えず突っ込んでいったのだ。
「そ、そうかなぁ……」
「わたくし達も手探りで探索している状況ですわよ? 無駄に彷徨う結果しか見えませんもの。お判りかしら?」
「うーん……仕方ないですね……」
「ふむ。まぁ、依頼された事はこなしつつ出口を探す、でいいだろう」
「適当に色々拾ってくれ、だったわね? ……あ、珍しそうな雑草みっけ」
「雑草に珍しいとかあるんですか、姫」
「はいはーい。出口見つけに行く前にお菓子たべたいでーす」
「噂のルーちゃんの手作りお菓子タイムね?」
「あ……はい! 一杯作ってきましたよ! トリュフチョコに、ナッツクッキーに、マドレーヌ!」
【2】
「うむ、美味い」
ルクラ達の居る場所とはまた違う、迷いの森の中。
一人寂しく菓子を貪る男が居た。
「食べてみたまえバルミアラ。この味は金では買えぬだろうからな」
傍らに佇んでいる巨大な鳥にも菓子を分け与えつつ男、ラウルバーフは改めて森の中を見渡す。
「……森の中での合流は出来ぬな。方角すら判らぬ。空を飛んでみようとしたらそれも不可能であったから、彼らの所在を掴むのは至難の業と云える」
しゃくしゃく。
クッキーを頬張って。
そんな彼を巨大な鳥、バルミアラは咎めるような眼差しを向けていた。
「まぁ良いだろう。彼らは百戦錬磨、熟練の旅人だ。こんな場所で倒れることはあるまい。それに、だ。この素材の宝庫を前にして疼く身体を止める事ができただろうか? いや、無い」
視線に気づいたラウルバーフはそう言って笑う。
既に背中に背負った袋はあちこちで拾った雑多な品でパンパンに膨らんでいた。
呆れたようにバルミアラは首をすくめる。
「……ウム、腹ごしらえも出来た」
背負い込んだ道具袋から小型の斧を取り出して、ラウルバーフは適当な木に目をつける。
「折角だ、一本持って帰るぞバルミアラ。手伝え」
程なくして、迷いの森の中に木々を叩く甲高い音が響き始めた。
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