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六命雑感、あと日記の保管庫もかねています。
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偽島で使用しているキャラクターの詳細プロフィールを置いてあります。

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色々な方にルクラやリズレッタを描いていただきました。
ここで纏めて掲載させていただきます。
本当に、本当にありがとうございます!

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 おわったぁ。
という言葉が、書き上げたときにまず出てきました。

『ちびっ娘ドラゴニュートの偽島冒険記。』は、これでおしまいです。
偽島も丁度終わりに向かって急展開を見せた頃にきっちり書き終えられたのは偶然に過ぎませんが、その偶然に感謝しようとおもいます。
これ以上の無い完璧な退場をルクラは出来たのですから。

実のところ、私はこれだけの長編を、これだけの長い期間を使って書き上げたことがありませんでした。
(完結、という形に持っていったのは全部短編ばかりだったのです)
そして、定期更新と言うジャンルに足を踏み入れたのもこの偽島が初めてです。

判らない事だらけだけど、ルクラたちをかっこ悪くしないためにはどうにか偽島のシステム的な面でも頑張る必要があった。
でも日記だって何時だって書ける余裕があるとは限らない。
精神的にぐったりするようなときもたまにありました。(日記を書いてなかった回は大概それです)

けれど、終わってみれば日記を休んだ回数は殆ど無く、何とか頑張って、自分の決意を押し通せたなぁとおもいます。
一週間と言う期間、時にはそれ以上の間が空いて、日記のでき自体は今見返せば色々アラが見つかりまくるとおもいます。
ここをこうすればよかった、此処はこういう表現で、いくつもあります。酷いときは誤字とか表現間違いとか。
けれどこの物語はこのままの形で、『完成』とすることにしました。

此処から先は、好き勝手にキャラを語る場にさせていただきます。
ついでに物語にも触れながら。

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 一つの大きな忘れ物
 
 
【1】
宿『流れ星』の庭は、主人である老婆が開放したことで、多くの冒険者が立ち寄る憩いの場となり、『くつろぎの庭』と呼ばれていた。
お客様のために老婆は最高のお茶とお菓子を用意して御持て成し。
時には、小さいながらもパーティを開いてその腕を振るい、参加者の腹を満足させた事だってあった。
いつも老婆は笑っていた。
傍らに二人の少女に、一人の小さな人形のような少女、そして片耳だけの猫の耳を持った少年に囲まれて、幸せそうにいつも笑っていた。
そんな庭は今、老婆以外に誰の姿も無かった。
彼女は一人テーブルについて、そしてお茶の用意をしている。
カップは二つ。自分の席とその向かい側、最高級の茶だ。
老婆の秘蔵の茶葉を使ったそれは、今までのどんなお茶よりも濃厚で、魅力的な匂いを立ち昇らせている。
老婆は、待ち人が来るまで顔を僅かに傾けて、じっと辺りの音を聞くことを楽しんでいた。
 
「待っていました」
 
そう言って顔を上げた先には、一人の女性が居た。
音も無く現れたその女性は、老婆に促されるままに席につく。
 
「今度こそ、時間が来てしまったようです」
 
一口だけお茶を飲んで、その味に心底幸せそうに笑う。
 
「あの子も帰っていった……。残された時間が僅かだと、私も悟りました」
 
それは女性も同じようだった。
 
「とても楽しい時間だった。それもみんな、あの子達のお陰……」
 
淡々と老婆は語る。
その笑顔は、一点の曇りも無く。
 
「ただ」
 
空を仰いだ。
 
「一つだけ、心残りがあるんです」
 
太陽の光が眩しくて、眼を細めた。
 
「あの子は私を忘れてしまった。それも仕方の無い事です。私はこの島に居た人間だから。忘れ去られてしまうのが当たり前。……けれど」
 
もう一度老婆は女性を見た。
 
「我侭かもしれないけれど、あの子の記憶だけには残りたいんです。私と言う存在を。……この、おばあさんの存在をまた思い出して、そして覚えて置いて欲しいんです。……貴女にそれを、お願いしてもいいかしら……?」
 
女性は静かに頷く。
老婆はそれにほっとした表情を見せて、もう一度お茶を飲んだ。
 
「……ありがとう。安心したわ」
 
そして老婆は庭を見渡す。
 
「もっと貴女と話して居たいけれど、時間が無いようです」
 
女性はゆっくりと席を立つ。
彼女は帰るのだ、元の場所へ。
女性の後姿を老婆は、座ったままじっと眺めて見送る。
 
「……さようなら。貴女の歩む道に、神の御加護がありますよう――」
 
老婆の声は、静かに風に乗って、消えた。
 
【2】
「おねえちゃん?」
 
突然良く知った声が耳元で大きく響いて、思わずびくりとしてしまった。
 
「おはよー。珍しいね、居眠りなんて」
「……寝て、ましたか」
 
春の陽気に誘われて、ついついまどろんでしまったらしい。
時間にすれば大したこと無いのだろうが、従姉妹であるこの子からすれば、さっき言ったとおりに珍しい光景に違いなかった。
 
「ま、ボクもお昼寝しよっかなーって思ってたんだけどね! こんなに気持ちのいい天気なんだもん!」
 
空の太陽のように明るい笑顔を浮かべて、彼女は膝枕をねだる。
頷けば嬉しそうに、ころんと横になって眼を閉じた。
 
「………………」
 
まどろんでいる間に、何か夢を、見たような。
もう一度眼を閉じて、思い出そうとしてみる。
 
「クォラァァァーッ!!!」
「げっ。先輩だっ!?」
「ミーティアサマの膝枕とか羨ましいコト……! 今すぐドケ!」
「やーだよ。……べぇーだ!」
「ンナッ!? ……いい度胸じゃないデスか」
「ちゃんとおねえちゃんにお願いして、膝枕してもらってるんだもん。ボクは悪くないよ~だ」
「ホーォ。実力行使も止む無し、ですネ……」
「……負けないよ」
 
……どうやらそういう時間は、無くなってしまった様だ。
いつも彼女達は仲が悪い。
喧嘩するほど、と言うけれど……従姉妹としても、友人としても、もう少し二人とも互いに歩み寄って、仲良くなって欲しいと思う。
 
「二人ともそう喧嘩腰にならずに……。 カルリもして欲しいなら、私は別に構いませんよ」
「ホントデスかっ!?」
「でもボクが最初にお願いしたんだからボクが先だからね~」
「却下!」
「なんでさ!?」
「……ラティベル。先になるか後になるかの些細な違いなんですから。ここは二人とも公平にじゃんけんで決めてください」
「えー……しょーがないなぁ」
 
どっちが勝つだろう。
そんな事をぼんやり考えて。
 
「……! っ……! ……!」
「っ! ……! ……! ……ッ!」
 
相子ばかり出して一向に勝負がつかない、ただのじゃんけんに物凄い白熱している様子の二人に、思わず笑ってしまう。
……今日も、いい天気だ。
 
~FIN
 

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